Awareness Through Movement
心をひらく体のレッスン No.2

捻る動きで全身の調整

― テキスト通りにカセットテープ等に録音してご利用下さい ―

●仰臥して全身の自己観察
床の上で仰向けになってください。両手両足は適当に開いて伸ばしてください。脚は腰幅よりやや広めに開いて伸ばし、両腕は体の横の床にゆったりと置いてください。 全身を弛めて、自然で楽な呼吸を続けてください。体と床の接触感をじっくり味わってください。踵、膝、太股、お尻、腰、背骨を下から次第に上のほうへ、肩甲骨、肩、首、腕を肩から手首、そして手、手の指、・・・・というふうに。
●01:両膝立てて、右へ倒す
それでは、両膝を立ててください。両足はあまりくっつけないで、適当に開き、どちらにも膝は倒さないように、楽に支えます。腰椎と床との関係はどうなりましたか? 脚の付け根、腰、お腹、胸などに力が入らないようにしてください。では、その立てた両膝を、右側へ倒してください。抵抗のあるところまで倒したら、元へ戻して立ててください。この動きを繰り返します。右へ倒して起こすという動きです。急がずに、力を入れずに、柔らかく繰り返してください。膝の重さをよく感じながら・・・ 膝を倒してゆくと、その動きで骨盤が右へ転がりますね。そうすると、その動きで背骨が下のほうから右へ捻じれてゆきます。腰のところが捻じれて、それから胸、肩、首というふうに動きが伝わってゆきます。その動きの流れに注意を向けてください。 膝を起こしてゆくと、今の動きの流れは逆になります。自分の注意を集めて、その流れをたどれる程度のゆっくりした動きを続けます。・・・呼吸はどうですか? 自然な呼吸が続くように。膝を倒すときに息を吐いていますか、それとも吸っていますか? どちらのやり方が自然でしょうか? 両方をやってみて、比較してみてください。・・・そして楽なほうのやり方で動いてください。動きは小さく、力を節約して行ったほうが、違いはよく判りますね。 頭はどういう動きをしますか? 膝と同じほうへ動いていますか? それとも反対側ですか? これも、どちら側へ動くのが自然なのか、探ってください。両方をやってみて、比較してみましょう。そして自然だと感じるほうのやり方を選んでください。(間)
●02:左膝立て/左足裏で床を踏み骨盤を右へ転がす
左膝を立てます。左足の位置はやや外よりに開いててください。右脚はそのまま床に伸ばしておきます。左足で床を押すように踏んで、骨盤を右へ転がします。左足で床を踏むと、左脚の付け根、つまり股関節が持ち上がりますから、骨盤は右へ転がります。左足の力を抜けば、骨盤は元に戻ります。この動きを繰り返してください。 大切なことは、右脚には全然力を入れないことです。右脚を忘れてください。そうすれば、骨盤は自然に右へ転がります。転がらない場合は、どこかに無駄な力を入れているからです。(間) 腰、お腹、胸、腕などを弛めてみましょう。そうすると、骨盤が右へ転がるにつれて、その動きは、腰からお腹、胸、肩、首を通って、頭にまで伝わります。(間)その動きの流れを注意深く味わってください。(間)頭はどうなりますか? 骨盤と同じほうへ転がるでしょうか、それとも反対側でしょうか? あるいは、全然動かないでしょうか? 動きを繰り返しながら、動きの流れに注意をはらって、探ってください。(間)判りましたか? (間)では、脚を伸ばして休んでください。 体の感じはどう変わりましたか? 右と左の違いはありますか?(間)
●03:両膝組んで右へ倒す/手で頭を転がす/倒したまま頭を上下
では、両膝を立てましょう。そして、左膝の上に右膝を組みます。組んだ両脚を右へ倒してください。抵抗が生まれるところまで倒したら、起こして元に戻してください。これも自然に倒れるところまでで結構です。この動きを繰り返しながら、体全体をほぐすような気持ちで、のんびりと続けてください。脚の重さをよく感じとり、それを利用することです。 右へ倒すと、骨盤が右へ転がって腰を捻じることになりますね。その動きが、少しずつ上へ伝わって行きます。その流れを味わってください。戻す時には逆になります。(間)頭は動きますか? 首の力を弛めると、頭には、自然な動きが生まれます。頭はどういう動きをしますか? どちら側へ転がりますか? (間)では、左手の掌を額の上に置いてください。左肘は外へ開いて。脚を右へ倒しながら、同時に、左手で頭を右へ転がしてください。左の肘が床に近づくようにするわけです。脚を戻す時には、頭も同じく元に戻します。この動きを繰り返してください。(間) では、動きをやめて、手足を伸ばして休みましょう。(間)どうでしょうか? 床との接触感はどうですか? 右と左の違いはありますか? 相当な違いを感じますね。別に言葉にしようとしなくてもいいですから、その違いの感覚をじっくり味わってください。体の感覚というものは、なかなか言葉にはなりにくいものです。それを無理に言葉にしようとすると、往々にしてウソになってしまいます。むしろ、感覚の微妙な味わいをじっくり深めることが大切です。(間) では、もう一度、今と同じように脚を組みます。その脚を右側へ倒して、そのままにしてください。両手を組んで頭の下に入れてください。その手で助けて頭を持ち上げます。持ち上げた時に、両肘が前へくるように閉じてください。それから、頭を下ろしながら、両肘を開いて床に近づけます。この動きを繰り返します。(間) 絶対に頑張らないように・・・。ゆっくりしたリズムで、自然な呼吸が続くようなやり方をしてください。頭を上げる時に息はどうなっていますか? 吐いていますか、それとも吸っていますか? 両方をやってみて、楽なほうを選んでください。 右へ倒した脚の膝が、動きのたびに、どんどん床に近づきますか? 無駄な力が入ってなければ、そうなるはずです。(間)脚の重さを感じながら動いてください。(間) では、手を離して、両脚を戻して、休んでください。(間)どうでしょう? 床との接触、右と左の違い・・・、じっくり味わってください。(間)
●04:足首で両脚を組んで右へ倒す/手で頭を転がす/頭の上下
両膝を立ててください。左膝の上に右脚の足首を乗せます。そして、右膝は外へ開いてください。楽に支えてください。 両脚を右へ倒してください。右膝が床に近づくように倒します。脚の重さを感じながら倒します。ある程度倒れたら、抵抗があって停まりますね。そこで戻してまた立ててください。この右側へ倒して起こす動きを繰り返します。ゆっくり、楽にやってください。 先程よりも脚の重さが増えましたね。倒して行くと、骨盤が右へ転がって、腰が捻じれて、その動きが次第に上のほうへ伝わって行きます。その流れをよく味わってください。戻す時には、流れは逆になります。動くことだけに一所懸命にならないで、そのプロセスに注意を向けることが大切です。これは神経に働きかけるレッスンですから、意識をどう使うかによって、驚くほどの効果が生まれたり、全然変化が感じられなかったりします。 頭はどういう動きをしますか? ・・・ では、左手を額の上に乗せてください。脚を右へ倒すのとに合わせて、その手で頭を左側へ転がしてください。体の捻じれて行く感触をよく味わってください。・・・呼吸はどうですか? とまっていませんか? どこで息を吐き、どこで吸っていますか? 動きと呼吸が柔らかく一致するようにしてください。・・・ それでは、動きをやめて、手と脚を伸ばして、休んでください。・・・ 床との接触はどう変わりましたか? 右側と左側の違いは・・・? どう一度、左膝の上に、右足首を乗せてください。そうして、その脚を右へ倒して、そのままにしてください。両手を組んで頭の下に入れます。そのまま、自然な呼吸をしばらく味わってください。体全体を弛めてください。 では、両手で頭を上げます。上げた時に、両肘が前に来るように、閉じてください。それから、頭を下ろします。下ろした時には両肘が床に近づくように開きます。頭を上げる時には、自分の左の腰を見るようなつもりで上げてください。顎が胸元に近づくような上げ方です。・・・息をとめないように、決して頑張らないように・・・(間) はい、それでは動きをやめて、手足を伸ばして休んでください。(間)床との接触や左右の違いを味わってください。どうでしょうか?
●05:伏臥で両膝曲げ/左へ倒す
では、うつ伏せになってください。左の頬を下にします。右を向くわけですね。両手は頭の横の床に置いてください。両膝を直角に曲げて、足の裏を天井に向けてください。足は楽に支えてください。 では、その両脚を左側へ倒します。無理に床につけようとしないで、自然に倒れるところまでにして、また立ててください。この動きを繰り返します。脚を倒すと、骨盤が左へ転がりますね。それにつれて背骨が捻じれます。右の胸が引っ張られて、左の胸が床に押しつけられます。右の肩も脚の方向へ引っ張られます。そういう変化をよく味わってください。 では、脚を伸ばして、そのまましばらく休んでください。・・・ 右の頬を下にしてください。両膝を直角に曲げて、足の裏を天井に向けてください。 両脚を左へ倒したり、起こしたりしてください。この動きを続けながら、顔の向きを変えたことによって、動きにどういう変化が生まれたかをつかんでください。首にかかる力が強まったのが判りますね。・・・ では、動きをやめて、手足を伸ばし、仰向けになって休んでください。床との接触、左右の違いはどうでしょうか。・・・
●06:仰臥/両膝立て/左右へ倒す/左へ倒す
では、両膝を立ててください。その両膝を右へ倒してください。起こして、今度は、左へ倒してください。ゆっくり左右へ倒してください。どちら側が倒しやすいですか? ・・・では、左側へ倒して起こす動きだけを続けてください。・・・右手を額の上に乗せて、両膝を左側へ倒す時に、頭を右へ転がしてください。・・・動きの流れをよく味わってください。・・・ では、両手を組んで頭の下に入れて、両膝を左へ倒したまま、頭を上げたり下ろしたりしてください。両肘を開いたり閉じたりする動きを忘れないで・・・。(間)膝がだんだん床に近づきますか?・・・ では、手足を伸ばして休んでください。(間)右と左の違いを感じてください。
●07:右膝立て/02の逆(右脚裏で床を踏み骨盤を左へ転がす)
右膝を立ててください。 右足の裏で床を踏んで、骨盤を左へ転がしてください。(動きの流れを感じる) 右手を額の上に乗せてください。骨盤を転がす時に、頭を右へ転がしてください。 (間) ○休息点検○
●08:03の逆(両膝組んで左へ倒す/手で頭を転がす)
両膝を立ててください。右膝の上に左脚を組んでください。両脚を左へ倒します。 動きの流れを感じてください。(骨盤、胴体、肩、首、頭) 右手を額の上に乗せてください。脚を左へ倒す動きに合わせて、頭を右へ転がしてください。 動きを止めて手足を伸ばして、休息してください。 右膝の上に左膝を組んでください。両脚を左へ倒して、そのままにします。両手を組んで、頭の下に入れて、その手で頭を上下してください。腰の右側を見る気持ちで頭を上げてください。顎が胸元に近づくように頭を上げます。 動きをやめて、手足を伸ばし、休んでください。
●09:04の逆(足首で組んで左へ倒す/手で頭を転がす)
両膝を立て、右膝の上に、左足首を乗せます。左膝を外へ開きます。両脚を左へ倒したり、起こしたりします。頭の動きは?(間)動きの流れは?(間) 右手を額の上に乗せます。脚を左へ倒すのに合わせて、頭を右へ転がします。右肘が床に近づくように・・・。動きの流れ?(間) ○休息点検○ 
 両膝を立て、右膝の上に左足首を乗せます。両脚を左へ倒したまま、両手を組んで頭の下に入れます。両手で頭を上下させます。呼吸が自然に続くように.休息点検○
●10:伏臥して/05の逆(両膝立てて右へ倒す)
 うつ伏せになってください。右頬を下に、床につけてください。両手は頭の横の床に置きます。両膝を直角に曲げて、足の裏を天井に向けてください。 両足を右へ倒したり、起こしたりしてください。床との接触の変化・・・。左肩が下へ引っ張られますか? 左頬を下にします。同じ動きを続けてください。捻じれが強まりますね。(間) ○休息点検○

●11:両膝立てて腕を天井へ伸ばす/頭を上げて動きを助ける
 両膝を立ててください。右手を天井へ伸ばしてください。左腕は体の横に置いたままで結構です。右手をさらに天井へ伸ばしてください。上にあるなにかを取ろうとするように天井に向かって伸ばします。右手を上げるためには、右の肩を床から浮かさなくてはなりません。右の肩を浮かすためには、どういう力を使えばいいでしょうか? そうですね、体を左へ転がせばいいですね。そのためには、骨盤を左へ転がせばいいことが判ります。目は右手を見てください。 では、頭を持ち上げて、右手の動きを助けてください。(間) では、手足を伸ばして少し休みましょう。(間) では、両膝を立てて、左手を天井に向かって伸ばしてください。左手を天井へさらに伸ばします。(間)左肩を持ち上げるように、動きをアレンジしてください。(間)頭を持ち上げて、左手の動きを助けてください。左手を見たまま・・・ 休息点検。
●12:右下横臥/両膝直角曲げ/右膝を後ろへずらせて左膝の内側を床に
右側を下に、横に転がってください。両膝を直角に曲げて重ねてください。右膝を後ろへずらせて、左膝の内側が床に触るようにしてください。左手を額に置いてください。 左手で頭を左へ転がしてください。また戻します。この動きを繰り返してください。左へ転がす時に、左肘が床に近づくように・・・・。 目も頭と同じ方向に動かしてください。動きの質はどう変わりますか? 目を頭とは反対の方向へ動かしてください。頭が左へ転がる時に、目は右へ動かします。頭が戻る時に、目を左へ動かすわけです。目は閉じたほうがやりやすいでしょう。動きはどう変わりますか? では、動きを止めて休んでください。
●13:左下横臥で同じ動き
では、左下になるように、横に転がってください。両膝を直角に曲げて、左膝を後ろへずらせて、右膝の内側が床に触るようにします。右手を額に置いてください。 右手で頭を右へ転がす動きを繰り返してください。目は頭と同じ方向へ動かしてください。(間)では、目を頭とは逆の方法へ動かしてください。(間)では、途中で、動きを同じリズムで続けながら、目の動きの方向を切り換えてください。同じ方向にしたり、逆の方向にしたりするわけです。休息点検。

●14:骨盤の動きと頭・目の動きを調整
 両膝を立ててください。まず、右足の裏で床を踏んで、骨盤を左へ転がしてください。次は、左足の裏で床を踏んで、骨盤を右へ転がしてください。左右交互にこの動きを繰り返してください。 頭が骨盤とは反対の方向に転がるようにしてください。目は頭と同じ方向へ動かしてください。 頭を骨盤と同じ方向へ転がしてください。目は頭と同じ方向へ動かしてください。 もう一度、頭を骨盤とは反対の方向へ転がしてください。目は頭と同じ方向へ動かします。(間)目の動きが、骨盤とは逆になるように切り換えてください。(間) 動きを続けながら、目の動きの方向を切り換えてください。(間)休息点検。

inserted by FC2 system