Awareness Through Movement

心をひらく体のレッスン No.1

動きの中心の発見

― テキスト通りにカセットテープ等に録音してご利用下さい ―

●仰臥の姿勢
ではレッスンを始めましょう。床の上に仰向けになって寝てください。全身の力を抜いて、体全体を楽に床に預けるような気持ちで、横たわってください。自然な呼吸が続くようにしてください。意識して呼吸をしないようにします。
 両脚は、腰幅よりやや広めに開いてください。両腕は体の横の床に胴体から少し離して置いてください。掌は上でも下でも、あるいは横になっても構いません。自分でいちばん楽な感じで置いてください。足の開き方にしろ、腕の置き方にしろ、こうしなくてはいけないという形はありません。ただ、自分で一番自然な感じがする場所を見つけてください。
 では、足の幅ですが、思い切って大きく開いてみてください、これ以上は開けないというぐらいまで。どんな感じがしますか? 自然な感じはしませんね。それでは、両足をぴったり合わせてみてください。どうでしょう、これも不自然ですね。この両極端の間のどこかに、自分の一番自然な位置があるはずですね。では、その位置を自分で見つけてください。そっと動かさないと感じはつかめません。少しずつ、ゆっくり開いたり閉じたりして、ここが一番楽だという場所を見つけるわけです。どうぞ。そこでいいですか?
 では、今度は腕です。手を思い切って胴体から離してみたり、近づけてみたりして、最も具合のいい位置を自分で発見してください。決して急がないように。このレッスンでは急ぐことが一番いけません。短い時間に沢山のことをやろうとしないでください。時間はたっぷりあるつもりになって決して焦らないことです。一つ一つを充分に味わいながらレッスンを続けること、これは大事なことです。急いだり、焦ったりすると、違いをつかむことができません。それから、力を決して使い過ぎないことです。これも大切です。エネルギーをできるだけ節約すること、そうすると、感覚の微妙な違いに気づくことができます。時間は贅沢に、お金持ちになった気持ちで使い、エネルギーはできるだけケチケチと、貧乏人になったつもりで使ってください。そうしないと、もう少し開いたほうがいいとか、狭めたほうがいいという感じがつかめません。この原則は、これからやる全ての動きを行う時にも、守ってください。

床との接触感
では、そのままの姿勢で、自然な呼吸をリズムを味わってください。呼吸につれて、どこがどういう動きをしているかを感じて見てください。眠っている時のような自然な呼吸をしながら、胸、お腹、或いは体のどこかが、どういう動き方をしているかを探ってください。動いている部分をできるだけ沢山発見してください。呼吸を意識でコントロールしようとしないでください。どうでしょう、判りましたでしょうか?
 では今度は、そのままで、自分の体のどこが床に触っているか、そしてどこが床から離れているかを探ってください。ぴったり床にくっついている部分と浮き上がっている部分があることは判りますね。それをできるだけ詳しく調べるわけです。しかし、手で触ったり、目で見たりして調べるのではなく、体の中の感覚を通して調べるのです。
 まず、自分の踵に注意を集めてみましょう。踵のどの部分が床に触っていますか? 爪先がつっ立っていれば踵の真後ろが床に触りますね。爪先が外へ倒れていれば、その角度に応じて踵の外側が床に触ります。逆に、踵のどこが床に触っているかによって、爪先の倒れ具合が判ります。右と左の踵を比較してみてください。右の踵と左の踵は同じところが床に触っていますか? それとも、違うでしょうか? じっくり比較してください。
 人間の体は、左右対称ではありません。シンメトリーではありません。だから、左右の感覚が多少とも違うのは普通のことです。左右が同じ感覚でなければいけない、そのはずだと思うのは、教育や習慣の結果です。それは外側から強制されて身につけたイメージです。私たちはそういうイメージをいろいろ沢山身につけていますから、それに邪魔されて本当の自分が見えなくなっています。これは、体のイメージだけではなく、考え方や感じ方についても同じことが言えます。そうすると、何事をするにも、自分自身から出発することができませんから、自分の能力を充分に発揮することはできません。当然自信もなくなり、ますます出来合いの価値観や、他人の物の考え方や感じ方を頼りにするようになります。それがまた、自分の能力を狭めることになります。
 この悪循環を断ち切るには、まず自分の体の感覚を信じることから始めるのが、一番の近道です。
 では、自分の体の感覚を充分に信じて、床との接触感を探ってください。踵が終わったら、次は足首から膝の裏までの間を探ってください。どこが床に触っているか、右と左との違いはどうか? ……それから、膝の裏そのものはどうでしょう? ……太股の裏側はどうですか? 右と左を比較してください。それから、お尻ですね。右と左……。腰のところはどうですか? どの程度床に触っているでしょうか? ……さらに上へ行くと、肋骨の部分になります。下の方の肋骨から、少しずつ上のほうへ注意を移動させながら、調べてみましょう。左右の比較もしてください。左右の肩甲骨はどうでしょう? ……腕の付け根、つまり肩関節はどうでしょう? 右と左の違いは……?
 尾てい骨はどうですか? 床に触っていますか、浮き上がっていますか? その尾てい骨のところから、背中の真ん中を通って首筋まで、縦に走っている骨が背骨ですね。背骨は全部で二十四個がつながってできています。その骨と骨との間には柔らかい組織がありますから、背骨は曲げたり捻じったりすることができます。背骨を尾てい骨のほうから、二十四個を一つ一つ調べるうなつもりで、丁寧に探ってください。一番床から浮き上がっているのは、背骨のどの部分でしょうか? 床にはっきり触っているのは、どの部分でしょうか? それから、はっきり判らない部分はどの辺りでしょうか? はっきり判らないところがあるということを知るのも、非常に大切なことです。……
 腕も調べてください。肩から肘までの間、そして左右の違い……。肘、そして肘から手首までの間も……。手首は床に触っていますか? どこが触っていますか? 手はどうでしょう? 右手は? 左手は? その違いは?
 では、頭をゆっくり静かに左右へ転がしてください。そして、自分で自然だと感じるところで止めてください。それは、必ずしも鼻が天井を向いているところとは限りません。むしろ、どちらかへ傾くのが普通かもしれません。では、頭を止めてください。……今、後頭部のどこが床に触っていますか? どうでしょう?
 これで、一通り体全体の床との接触感を調べたことになります。では、もう一度呼吸に注意を向けてください。自然な呼吸が続いていますか? 最初に比べて呼吸の感じに変化はありますか? これから、いくつかの動きをやりますが、自然な呼吸のリズムを乱さないで動くように注意してください。

01:最初の動き
両膝を立ててください。両足の間隔は腰幅よりやや広めに開きます。膝は倒さないように、踵とお尻を結ぶ線の上に軽く支えます。腰椎と床との関係はどう変わりましたか。では、もう一度両脚を伸ばして床と腰椎の隙間がどの程度あるか調べてください。わかりましたか。
 では、両膝を立ててください。こうすると、腰椎が床に近づいたのがわかりますか。それでは両脚を持ち上げてください。腰椎はどうなりますか。更に床に近づいたか、それとも離れたでしょうか。
 では、両足を上げたり下ろしたりしてください。この動きをゆっくり繰り返します。呼吸を乱さないように、息が止まらないように、詰まらないように、リズムが変わらないように注意しながら、楽に動いてください。大きい動きをする必要はありません。半分ぐらいの力で、滑らかに動ける範囲で動いてください。疲れてきたら休んでください。疲れを感じるというのは、体が休ませてくれという信号を送っているのです。それを無視しないでください。
 では、動きをやめて、両脚を伸ばして休んでください。両足は、最初の時のように腰幅よりやや広めに開いてください。腕も楽にして。床との接触感はどうですか。特に腰椎ですね。
 このレッスンでは、一つの動きが終わると、必ずこの休息のポーズをとって、しばらく体の変化を味わいます。これは決して疲れをとることだけが目的ではなく、むしろ、食べたものを消化するための貴重な時間でもあります。食べることだけに一所懸命で、肝心の消化する時間をとらなければ、消化不良を起こします。

02:頭と右膝の上下-A
右膝を立ててください。足はやや外寄りに開いてください。膝を倒さないように。左膝は伸ばしたままで結構です。右膝をゆっくり上下してください。上げる時に、膝を少し伸ばします。まっすぐにする必要はありません。膝の角度が90度か、それよりやや大きめになればいいです。・・・ はい、そこまで。
 右手を頭の下に入れてください。その右手で助けて頭を上下してください。頭を上げる時に、右肘が前へくるように右腕を動かしてください。頭を下ろす時には、その肘を開いて床に近づくようにしてください。この頭の動きに合わせて右脚を上下してください。右脚の動かし方は先程と同じです。
 背中のどこが床に押しつけられますか。ゆっくり繰り返しながら、注意深く探ってください。頭と脚を床に下ろした時には、力をゼロに戻してください。緊張が残ったまま、次の繰り返しに入らないで、毎回ゼロから出発してください。急がないことです。急ぐと緊張が残ったままになります。
 では、動きをやめて・・・、脚を伸ばして、腕も体の横に戻して、休息の姿勢になってください。体の左右の感じを比較してみてください。違いはありますか。

03:頭と右膝の上下-B
もう一度、右膝を立てて、今度は左手を頭の下に入れてください。肘は床に近くなるように開いてください。左手で助けて頭を上下します。上げる時に肘を閉じて、下ろす時に肘を開きます。
 では、この動きに合わせて右脚を上下してください。ゆっくり、滑らかに・・・、力まないで・・・、頑張らないことが一番大切です。脚を上げる時には膝を少し伸ばしてください。左肘が右膝に近づくような上げ方をしてください。
 先程の動きと似ています。手を変えただけです。動きの感じはどう変わりましたか。背中のどこが床に押しつけられますか。右手で頭を上げた時とは変わったでしょうか。呼吸を変えないようにしてください。 ・・・
 では、動きをやめて、手足を伸ばして休んでください。床との接触、体の左右の違いを味わってください。・・・ 脚の長さ、腕は ・・・

04:伏臥で、頭と右膝を上下-A
今度は、うつ伏せになってください。左の頬を床に、その下に右手を入れてください。右手の甲の上に左の頬を乗せるわけです。いいですか。そして、右膝を直角に曲げて、右足の裏を天井へ向けてください。これも倒さないで楽に支えます。左脚は伸ばしたまま、左手は頭の横の床の楽なところに置いてください。
 右手で助けて頭を持ち上げます。なるべく首の力を使わないで、右腕と背中の筋肉を上手く使って持ち上げます。
 その動きに合わせて、右膝を床から少し持ち上げてください。頭と右膝を同時に上下するわけです。・・・ お腹のどこが床に押しつけられますか。・・・ おヘソの右側が床にピッタリつきますか。体の左側は、全然使わないように、左脚も、左腕も、・・・
 背中は、どのあたりの筋肉を使っていますか。右側ですか、左側ですか。・・・
 では、動きをやめて、仰向けになって、手足を伸ばして休んでください。・・・
05:伏臥で、頭と右膝を上下-B
またうつ伏せになってください。今度は左手の甲の上に左の頬を乗せます。右膝を直角に曲げて、右足の裏を天井に向けます。先程とは、手を入れ替えただけです。左手で頭を持ち上げてみてください。体の使い方は先程とどこが違いますか。・・・
 では、頭と右膝を同時に上下してください。お腹のどの部分が一番強く床に押しつけられますか。その場所は、先程の時と比べて変わりましたか。力をできるだけ節約して動かないと、そういう微妙な違いは判りません。・・・ 小さい動きで充分です。小さくゆっくり動きながら、どこをどう使っているか、それを意識で捉えてください。・・・
 では、動きをやめて、仰向けになって、手足を伸ばして休息の姿勢に戻ってください。体の右と左を比べるとどんな感じがしますか。・・・
06:仰臥で ― 頭と右脚を同時に上下-A
右手を頭の下に入れてください。両脚は伸ばして開いたままで結構です。そして、頭を右手で上げたり下ろしたりしてください。上げる時に、右肘を前に動かして、下ろす時に開きます。この動きに合わせて、右脚を上げ下ろししてください。できるだけ頭と脚の動きのタイミングを合わせてください。同時に離陸し、同時に着陸するように。・・・
 体のどこを使っているか、背中のどこが床に押しつけられるか、・・・
 では、動きをやめて、手を体の横に戻して休みます。どんな感じでしょうか。左右の比較、床との接触感はどうでしょうか。

07:仰臥で ― 頭と右脚を同時に上下-B
左手を頭の下に入れます。頭と右脚を同時に上げたり下ろしたりします。ゆっくり、滑らかに、軽く繰り返してください。頭と脚のタイミングを合わせてください。体のどこを使っていますか、背中のどこが床に押しつけられますか。先程とどう違いますか。
・・・では、手を体の横に戻して休んでください。左右の違い、床との接触感はどうですか。

08:伏臥で ― 頭と右脚を同時に上下-A
うつ伏せになります。右手の甲の上に、左頬を乗せます。いいですか。では、頭と右脚を同時に上げたり下ろしたりしてください。脚を伸ばしているので、曲げた時よりも重く感じるかもしれせん。
体のどこが床に押しつけられますか。背中のどこを使っているでしょうか。
 では、仰向けになって、手足を伸ばして休んでください。左右の違いと床との接触感を探ってください。
09:伏臥 ― 頭と右脚を同時に上下-B
うつ伏せになって、今度は左手の甲の上に、左頬を乗せます。そうして、頭と右脚を同時に上下してください。お腹のどこが床に押しつけられますか。背中のどの筋肉を使っていますか。先程とはどう違いますか。
 では、仰向けになって、手足を戻して休んでください。どうですか。今まで、右脚の動きばかりやってきました。体の右側と左側の違いはどうでしょうか。まず、脚の長さですね。右脚と左脚の長さは・・・。骨盤の左右はどうでしょうか。胴体、肩の左右・・・。腕は・・・。
10:インターバル
では、立ち上がってください。今の体の感じを壊さないようにしながら、立ち上がってください。立ち上がったら、そのまま全身の支えを味わってください。右足と左足の裏はどう違いますか。どちらの脚のほうがしっかりしている感じがしますか。胴体から、肩、首、頭の感じはどうでしょうか。
 周りを歩いてみてください。どちらの脚がしっかりしていますか。右へ回ったり、左へ回ったりして、左右の違いを比較してください。
 では、いいでしょう。もう一度、また、床に仰向けになって寝てください。
11:頭と左膝の上下-A(イメージ練習で)
今まで行った一連の動きを思い出そうとしてください。どのぐらい思い出せますか。・・・ 全部を思い出す必要はありませんが、いくつか思い出してください。難しいでしょうか。では、一番印象に残っているのは、どの動きでしょう。一番気持ちの良かったのは、どういう動きでしょう。では、動きを一つだけ選んで、それを詳しくイメージしてみてください。実際には動かずに、その動きを行った時の体の感覚をよく思い出してみてください。どこをどういうふうに使っていたか、その時の感じを生々しく、リアルに蘇らせるわけです。・・・どうでしょう、できたでしょうか。・・・
 はい、ではいいでしょう。今やったことは、イメージ練習です。イメージトレーニングとも言います。イメージ練習、あるいはイメージトレーニングは、最近、スポーツなどにも取り入れられています。イメージゴルフとか、イメージテニスという言葉もお聞きになったと思います。イメージの力を一番最初に組織的に使ったのは、フェルデンクライスです。
 今まで、右脚を中心にした動きを積み重ねてきました。右脚は生き生きとして、体の右側は軽くなっていて、それに比べて、左脚は棒のような感じで、強張っているかも知れません。体が傾いたような、あるいは歪んだような感じがするかも知れません。これから、右側のレッスンに移りますが、こちら側は、イメージを用いてやってみましょう。
 では、右脚はそのままで、左膝を立てます。膝は楽に立ててください。左手を頭の下に入れます。そして、頭と左脚を同時に上下する動きを《イメージ》で練習しましょう。実際には動かないで、しかし、動いているつもりになってください。つまり、実際の動きを行わないで、動く時の感覚をできるだけ忠実に再現しようとするわけです。
 左脚を持ち上げ、左手で頭を支えて持ち上げ、その時に左肘を少し前へ出すように閉じる、左肘と左膝を近づける、この時に体のどこをどういうふうに使うでしょう。背中のどこが床に押しつけられるでしょう。下ろして行く時には、どういうふうに体が弛んで行くか、そういうことをはっきり体の感覚としてつかもうとしてください。急がないで、たっぷり時間を使ってやってください。一回の動きにどれだけ時間をかけても構いません。丁寧にやらなければ、意味がありません。・・・
 でも、あんまり真剣にならないで、気楽にやってください。真面目すぎるのはよくないですね。顔の筋肉を柔らかく、口の中も弛めて、目の周りも固くしないで。・・・では、二回だけ実際の動きをやってみてください。今、イメージで行ったことを確かめるつもりで動いてください。
 ・・・いいでしょう。では、手足を伸ばして休んでください。体の感じはどうでしょうか。違ってきたところはありますか。
12:頭と左脚の上下-B(イメージ練習)
では、同じく左膝を立て、右手を頭の下に入れてください。そして、頭と左脚を上下する動きをよくイメージしてください。頭を支えている右腕はどう動かすか。左脚を上げる力はどこからくるか。頭と脚の動きのタイミングは合っているか。腕、頭、脚が一つになって動いているか。・・・・
 では実際に二回だけ動いて、今のイメージが正しかったかどうか、確かめてください。結構でしょう。では、手足を伸ばして休んでください。全身の感じを味わってください。どこがどう変わってきたでしょう。
13:伏臥で、頭と左膝の上下-A(イメージ練習)
うつ伏せになってください。左手甲の上に、右頬を乗せてください。左膝を直角に曲げて左足の裏を天井に向けてください。楽に左脚を支えます。その姿勢で、頭と左膝を持ち上げる動きを、よくイメージしてください。どこをどう使うか、体全体の有機的なつながりを感じとりながら、イメージしてください。・・・
 では、二回だけ実際の動きをやって、今のイメージを確かめてください。・・・
 はい、ではそのまま手足を伸ばして休んでください。・・・
14:伏臥で、頭と左膝を上下-B
右手の甲の上に右頬を乗せて、左膝を曲げて左足の裏を天井に・・・。その姿勢で、頭と左膝を上下する動きをイメージしてください。イメージがつかみづらい時には、外から見ている人には判らない程度に、ほんとに小さく動いてみるといいですね。実際の動きが外へ出ないぐらいに、筋肉を微かに緊張させるわけです。そうすると、イメージがつかみやすくなります。・・・
 では、二回だけ実際の動きをやってみてください。あくまでも、イメージしたことを確かめる気持ちで動いてください。・・・では、仰向けになって、手足を伸ばして、休んでください。・・・ 床との接触、左右の違いはどうでしょうか。
15:仰臥で ― 頭と左脚を同時に上下-A
では、左手を頭の下に入れてください。両脚は伸ばしたままです。そして、左手で助けて頭を持ち上げ、それと同時に左脚を持ち上げる動きをイメージしてください。頭の上下と脚の上下が完全に一致するように、タイミングを合わせます。微かに筋肉を緊張させ、外から見ている人がいても、何をしているのか判らない程度にほんの僅かに動いてみてください。頭と腕と脚が一つになるイメージを持ってください。・・・
 では、実際に二回だけ動いてみましょう。イメージした通りですか。・・・では、手を戻して休んでください。・・・・

16:仰臥で ― 頭と左脚を同時に上下-B
では、右手を頭の下に入れて、両足は伸ばしたまま、頭と左脚を上下する動きをイメージしてください。人には判らない程度に筋肉を使ってください。とにかく丁寧にやってください。動きが一つの中心から生まれて広がるイメージを持ってください。・・・
 では、実際に二回動いてみて、イメージが正しかったかどうかを確かめてください。
 では、手を戻して休んでください。・・・床との接触は、左右の違いは・・・
17:伏臥で ― 頭と左脚を同時に上下-A
今度はうつ伏せになって、左手の甲の上に、右頬を乗せてください。両脚は伸ばしたままです。そして、頭と左脚を同時に上下する動きをイメージしてください。微かに筋肉を使ってください。動きの中心を見つけてください。・・・
 では、実際の動きを二回だけやって、イメージを確かめてください。
 そのまま手を伸ばして休んでください。・・・
18:頭と左脚を同時に上下-B
右手の甲の上に、右頬を乗せてください。両脚は伸ばしたまま、頭と左脚を同時に上下させる動きをイメージします。今までと同じやり方です。・・・
 では、実際の動きを二回だけやって、イメージを確かめてください。
 仰向けになって、手足を伸ばして休んでください。床との接触はどう変わりましたか。体の左右の感覚は、どうでしょうか。左右の違いは、右脚だけをやった時と比べて変わったでしょうか。じっくりと味わって、詳しく探ってください。・・・
19:仰臥で、頭と両脚の上下
両膝を立てて、両手を組んで頭の下へ入れてください。頭と右脚を同時に上げてください。上げたときに、左肘と右膝が近づくようにしてください。無理にくっつける必要はありません。楽にできる範囲でやってください。頭と右脚を下ろしてから、次は頭と左脚を同時に上げます。このときは、右肘と左膝が近づくようにします。頭と一緒に、左右の脚を交互に上げる動きです。膝と肘は対角線状に近づけます。急がずにのんびりやってください。・・・・
 では、次には、頭と同時に両脚を上げてください。膝と肘がお互いに近づくようにうごきてください。・・・・・はい、では、休んでください。・・・
20:伏臥で、頭と両脚の上下-A
うつ伏せになってください。両手を組んで掌を下にし、手の甲の上に額を乗せてます。両膝を直角に曲げてください。頭と右膝を同時に上下してください。左肘が右肘よりも高く上がるようにしてください。・・・
 頭と左膝を同時に上下してください。右肘が左肘よりも高く上がるように・・・
 では、左右を交互にやってください。・・・
 では、頭と両膝を同時に上下してみてください、両肘が同じぐらいの高さに上がるように。では、動きをやめて休みましょう。・・・
21:仰臥で、頭と両脚の上下-B
仰向けになってください。両手を組んで頭の下に入れて、両脚は伸ばしたままです。
 頭と右脚、それから、頭と左脚という組合せで上下してください、・・・交互に・・・右脚を上げるときには、左肘が前へ出るようにします。左脚のときは、右肘が前に出るようにします。・・・・
 では、頭と両脚を同時に上下してください。・・・
 休んでください。床との接触感はどうなりましたか。・・・・
22:伏臥で、頭と両脚の上下-B
では、うつ伏せになって・・・。両手を組んで掌を下に床に置き、手の甲の上に額を乗せます。両脚は伸ばしたままにします。
 では、右脚と頭を同時上下し、それから左脚と頭を同時に上下という具合に、左右交互に動いてください。肘の上げ方は先程と同じく、上げる脚の対角線状の肘のほうが上がるようにします。・・・
 では、頭と同時に両脚を一緒に上下してください。呼吸を乱さないように、のんびりやってください。おヘソのあたりが床にぴったりつきますか? 胸は柔らかく動いていますか? 両脚の幅は狭めないで、楽に開いたまま・・・・
 では、動きをやめて、仰向けになって休んでください。・・・
 床と体の関係はどうなったでしょうか。背中と床の接触面積は広がったような気がしますか? 肩甲骨はどうでしょう。背骨はどうでしょうか? 特に腰椎のあたりはどうですか? 首は? また、呼吸は楽になりましたか? 深くなったような気がしますか?
 では、今の体の感じを壊さないように注意しながら、ゆっくり立ち上がってください。・・・立ち上がった感じはどうでしょう? 足の裏の感触、また、体を支える両脚の感じは? 周りを歩いてみてください。・・・動きはどうか、呼吸はどうか、・・・
 ・・・・それでは、これで、このレッスンを終わります。

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